お知らせ一覧 > 詳細

今月の法話 2019/08/08

宗務所

よき自分をお供えする ―お盆の過ごし方―

間もなくお盆を迎えます。
お盆は「盂蘭盆(うらぼん)」と申します。お盆の起源となるエピソードが「盂蘭盆経」に記されていますので、ご紹介させていただきます。

お釈迦様のお弟子様の中でも特に優れた10人(十大弟子)のお一人である目連尊者(もくれんそんじゃ)は物事を見通す神通力に長けていました。ある日、目連尊者は神通力によって、亡き母親があの世で逆さ吊りにされ、食事も与えられずに苦しめられていることを知りました。びっくりした目連尊者はお釈迦様に母親を助け出す方法をご相談になりました。すると、お釈迦様は「七月十五日は釈尊教団の修行僧たちが自分たちの日頃の修行を振り返り、何か教団の決まりから外れるような悪事を犯していなかったかを確かめ合い、二度と同じ過ちを繰り返さないことを誓い、自らの行いとしていく自恣(じし)の日である。この日に修行僧たちに食事の供養をするならば、母親は救われるであろう。」とおっしゃいました。目連尊者はお釈迦様のお言葉に従い、修行僧たちに食事の供養をなさいました。すると、亡き母親は逆さ吊りと飢えの苦しみから救われたというのが、盂蘭盆の起源となるお話です。

このお話から伺い知れるのは、目連尊者のように、今を生かされている私たちが、少しでもお釈迦様のみ教えに従い、よき人間となっていくことが何よりもご先祖様を喜ばせることになるということです。お盆は私たちが少しでもよき人間となっていくための大切な仏縁として捉えていきたいものです。

そのためにも、釈尊教団の修行僧たちの如く、日頃の日常生活を振り返り、道から外れた悪事を行っていたならば、二度と同じ過ちを繰り返さないことを誓い、自らの生き様に反映させていきたいものです。そうやって少しでも仏様に近づいた自分の姿をご先祖様にお供えするお盆を過ごしていきたいものです。